練馬区は昭和22年8月1日,東京都区部,第23番目の特別区として板橋区から分離独立した。
当初11万7,218人(昭和22・10・1 食糧配給台帳)に過ぎなかった人口が,現在では55万6,944人(昭和55・1・1 住民基本台帳)を数えるマンモス区に発展している。これによって単に人口の増加ばかりでなく,経済・産業・社会・交通・文教など各分野にわたって著しい展開をみせている。
そうした動きを年表と原資料でつづり,将来にわたって根本資料として生かすように試みたのが本書である。編集にあたって,できる限り豊富な内容を折り込むことに努め,資料を幅広く収録するとともに練馬区30数年の情勢の推移を了知し得るよう,分野別およびテーマ別に年次を追って編集した。
練馬区・東京都および政府等刊行物をベースに,また,より広い角度から練馬の姿をとらえるため公共諸機関や民間諸団体から多くの資料の提供をいただいた。こうして得た諸資料は膨大な数量にのぼり,やむを得ず割愛したものも少なくない。これらについて一部は『現勢編』記述の中で生かすようにとりはかっている。
この『現勢資料編』が,練馬区勢の推移や現況を理解し,研究する資料として,さらには将来の練馬を考える上で活用されることを願っている。
情報量が多く,ともすれば散逸しやすい資料を,このようなかたちで整理し,基本資料として活字に残す意味は大きいものと思う。ただ記述と整理にあたって統一を欠いた面もあり,内容においても留意して誤りのないよう努めたが,内容の不備な点を含めて誤りが無いとはいえない。各位のご叱正を願うしだいである。
本編の刊行にあたり各方面から多くのご支援を戴いた。中でも年表作成にあたって練馬区役所所管の部課係の全面的なご協力を得,また資料の面では関係各官公署,とりわけ練馬区管内の警察署および消防署はじめ,東京郵政局,池袋公共職業安定所,日本電信電話公社豊島地区管理部,東京都労働資料センター等々のご協力をいただいた。また,民間諸団体その他多くのかたがたのご尽力を戴いている。記して感謝申し上げる次第である。
昭和55年3月
練馬区史編さん室
主任編さん委員
滝口 宏
編さん委員 調査員 調査補助員
松下正巳 北沢邦彦 木村京子
島野伝五郎 志々田文明 島野早苗
桑島新一 塙 博 星野淳代
福井豊麿 奥村周司
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