練馬は,長い間,緑ときれいな水に恵まれた自然の中にあった。江戸から東京へ,そして東京が日本の政治・経済・社会・文化の中心となるにつれ,かつて武蔵野の「むら」であった練馬は,この30年の間に,大都市圏の一部に組みこまれ,いまや50万人をこえる人口をもつ「まち」に膨張した。
とくに,高度成長による急激な発展は,生活の利便さを増大したものの,練馬を都市としての基盤整備のともなわないまま無秩序に膨張させ,物質偏重の考えを生み,人間と自然との結びつきや人間相互の心のふれあいさえも希薄にした。さらに練馬以西の急速な都市化によって,このまちは,おびただしい人と車の絶え間のない通路となった。
そこから,交通問題や福祉のたちおくれなどもろもろの問題が発生し,練馬は困難な課題をかかえた,まとまりのない都市となってしまった。
しかも,区民は,このような問題を自主的に解決するための組織と権限をもたなかった。それは,都区一体性の原則によって,区民の自治権を制限してきた特別区制度のもとにあったからである。
こうした中で,区民は,他の特別区に先立って,自治権確立の運動をつづけ,区長公選制をはじめとする特別区制度の改革を実現した。練馬は,住民自治にもとづく新しいまちづくりの道を歩みはじめた。しかし,現在の自治制度のもとでは,自治体の権限はなおあまりにも制限されている。このため,さらに区の自治権拡充を求めていかなければならない。
いまこそ,区民は,高い市民意識をもった区の主権者として,貴重な緑を守り,都市のひずみを解消し,自由で連帯感のある地域社会を創り出さなければならない。それは,とりもなおさず,大都市社会の中で失われつつある人間性を回復し,真に人間らしい生活を確立するということになるのである。区は,区民の総意にしたがいこれを方向づけ,その実現のために創意と情熱をもって努力する。
この構想の根本は,憲法をくらしに生かすことを基調にして,区民一人ひとりの基本的人権を尊重し,平和と民主主義を守り,真の住民自治を確立することにある。
かくて,新しい練馬は,「緑に囲まれた静かで市民意識の高いまち」をめざすものである。
それは,
1 緑に囲まれた安全で快適なまち
2 健康と生きがいにあふれるまち
3 安定した経済生活が営まれるまち
4 情操豊かなこどもと高い文化をはぐくむまち
5 区民が主体となって区政を推進する連帯のまち
という5つの目標の実現によって,達成されるものと考える。
本文> 節> <節>首都東京の市街地拡大にともない,練馬は田園地域から郊外住宅地域へ,そして大都市圏の中の中間住宅市街地へと急速に変ぼうした。都心部に近い練馬地区を中心とする区の東南部では,すでに過密のひずみがあらわれている。他方,石泉地区を中心とする区の北西部は,農地と無秩序に発展した住宅地の入りまじった未完成の地域のままであり,生活環境上の課題も多く残されている。
練馬をふるさととして愛している区民,住みよい場所を求めて練馬に移り住んだ区民の期待にこたえて,自然と調和した人間優先の生活環境づくりをすすめ,個性豊かな住みよい地域社会をつくる。
このため,区は区民とともに,住みよい生活環境の基盤をつくり,地域生活施設を体系的にととのえ,緑におおわれたうるおいのある生活空間を確保し,さらに,生活環境優先の土地利用をすすめ,公害のない清潔なまちをめざす。
1 生活環境の基盤づくりをすすめる
2 地域生活施設を体系的にととのえる
3 緑におおわれたうるおいのある生活空間をつくる
4 生活環境優先の土地利用をすすめる
5 公害のない清潔なまちづくりをすすめる
区民生活に内在する貧困と不安をとり除き,誰にも健康で文化的な生活を営む権利が保障される明るい地域社会をつくる。
このため,区は区民とともに,こども,老人,心身障害者(児),生活困窮者などの社会的に弱い立場にある人びとの生活を守り,社会参加をすすめるとともに,すべての区民の健康を守る。そして,誰もが,地域社会の重要な一員として人間性が尊重され,ゆとりと生きがいのある安心した生涯をお
くることができるまちをめざす。
1 社会的に弱い立場にある人びとの生活を守る
2 区民の健康を守る
練馬は,住宅地を背景にした大消費地域である。消費者と商工業・農業が,地域社会の中で,たがいに共存関係をつくるところに,安定した経済生活は営まれる。
区民の消費生活は,複雑な経済構造の中での物価の変動や,欠陥商品・有害食品などの増加によって,消費者の安全と利益を守らなければならない問題を多くかかえている。
区内の商工業は,区民生活に結びついた中小企業が中心であるが,激しい社会,経済環境の変化のもとで,不安定な経営状態にある。さらに,大型小売店舗の進出は,それに一層拍車をかけている。
区内の農業の生産環境は,都市化の進展によって悪化の一途をたどり,その経営が困難になってきている。
このため,区は区民とともに,消費者の権利を守り,区内産業の経営の安定と向上につとめ,そこに働く人びとの生活を守る。そして区民誰もが安心して経済生活を営むことのできるまちをめざす。
1 消費者の権利を確立する
2 区内商工業の安定と向上をはかる
3 区内農業の安定と向上をはかる
個人を尊重し,真理と平和を求め,勤労と責任を重んじ,自主的精神と豊かな情操をそなえた人間を育てる。普遍的でしかも個性豊かな文化の創造をめざす民主的な教育をすすめ,活力のある創造的な地域社会をつくる。
練馬は急速に発展し,新しい区民がつぎつぎと誕生したため,区民の生活意識と行動はきわめて多様であり,また区民としての連帯感がまだ十分に醸成されていない。しかし,区民の多くは,歴史的な遺産と武蔵野の自然が残っている練馬をみずからのふるさととして愛し,住みつづけることを望んでいる。
このため,区民と区は一体となって,明日の社会をになう人間性豊かな区民を育てるとともに,地域住民としての連帯感を高め,練馬にふさわしい区民文化の創造をめざす。そして,ゆきとどいた教育と高い文化に支えられた教育文化都市練馬を築きあげる。
1 明日の区民を育てる
2 区民文化を創造する
1 区の自治を強化する
2 行政の民主化と地域化をすすめる
3 職員の創意に支えられた区政をつくる
4 情報の公開と交流につとめる
1 区民主体による地域社会づくりをすすめる
2 区民のボランティア活動(自発的奉仕活動)をすすめる
3 区民参加を定着させる
資料:練馬区勢概要
東京市域拡張ノタメ82ケ町村併合ニ伴フ新行政区劃ノ編成ニ就テハ既ニ当局ニ於テ十分慎重ナル考究ヲ重ネラレ最モ妥当ナル措置ニ出デラルルコトトハ相信ジ候ヘ共,従来本郡内ニ於テ志村,上板橋村,練馬町,赤塚村,上練馬村,中新井村,石神井村,大泉村,以上8ケ町村ハ土地ノ情況殆ト相酷似セルモノアリ従ツテ自治行政ニ於テモ渾然融和同一歩調ノ下ニ相提携シテ今日ニ至リタルモノニ有之候。故ニ今回市域ノ拡張ト共ニ新行政区劃ノ編成ニ当リテハ一面従来ノ歴史ニ鑑ミ,一面将来ノ円満ナル自治発展上ヨリ考察シテ以上ノ8ケ町村ヲ以テ一行政区劃ヲ編成スルハ最モ賢明ニシテ且ツ正当ナル措置ト相信ジ申候。依テ此際板橋町ヲ断然地区ニ編入シ,以テ吾人ガ正当ナリト信ズル方針ニ変更セラレ,其実現ノタメ邁進セラレンコトヲ懇願仕候。
更ニ事由ヲ附記スレバ
<項番>(1)項番> 以上8ケ町村ハ現在大部分農業地帯ニ属シ其ノ生業殆ト同一ノ状態ニ有之候。此ノ未ダ豊村タルノ域ヲ脱セザル地域ヲ一行政区劃トナスハ之ヲ行政上及ビ将来ノ施設上ヨリ観察シテ最モ便宜且ツ妥当ノ処置ト相信ジ申候。
<項番>(2)項番> 現在ノ農業地帯モ近時交通機関ノ整備ト共ニ住宅地帯トシテノ発展目ザマシキモノ有之候。然シ現在ニ於テハ面積ノ広汎ニ比シ人口稀薄ノ感有之候モ将来ノ包容力ニ於テハ既ニ発展ノ余地ナ近接町村ト比較スベクモアラズ,将来ニ於テハ戸口ニ於テ他区ヲ凌駕スルニ至ルヤー目瞭然タルモノ有之,実ニ前途洋々ノ感有之候。
依テ此ノ8ケ町村ヲ一行政区劃ノ編成地域タラシムルハ理ノ当然ト相信ジ申候。
以上ノ意見ニ就テハ直接当面セル問題トシテ8ケ町村ハ夫レゾレ緊急町村会ヲ開会シ,同一歩調ノ下ニ意志表示ノ決議ヲ経タル次第ニ有之候。何卒吾人ノ意ノ存スル点ヲ諒セラレ更ニ慎重審議ノ上其ノ実現貫徹ヲ期セラレ度,茲ニ連署ヲ以テ事情ヲ具シ,謹デ陳情ニ及ビ候也。
昭和7年5月11日
中新井村長 内田喜太郎㊞
石神井村長 栗原 謙三㊞
赤塚村長 鈴木 義顕㊞
志村村長 大野作次郎㊞
大泉村長 加藤銀右衛門㊞
練馬町長 大木金兵衛㊞
◎宣言
今や我が国は誤まれる軍国主義を絶滅して平和に輝く新日本建設のために,民主政治を断行することは極めて当然であり,さらに之が根底をなす地方政治に対し,地方制度を改正して相当大幅の機能を拡張することは是又当然の帰結である。東京都に於いてはこの地方制度の改正を機として区の整理統合を実行する趣なるも,他に比類なきし大なる地域に生活する吾等練馬10万区民がその福祉増進の為に,多年に渉り,翹望する独立自治区たる練馬の設置は当局に於て未だ考慮せられぬやに仄聞するもかくの如きは全く当地実情を無視し,大衆の熱望を蹂躙するものにして吾等の断じて承服する能わざる所である。吾等は練馬区設置の為に蹶然起って如何なる障碍も難関をも突破し所期の目的貫徹を期するものである。
昭和21年8月8日
練馬区独立区民大会
◎決議文
吾等練馬10万民衆の福祉の為,現板橋区役所練馬支所の管轄区域を以て独立自治区とし速に練馬区を設置すべし。
昭和21年8月8日
練馬区独立区民大会
去ル8月(昭和21年)ノ7日ノ板橋区会ニ練馬区独立ノ動議ノ提案ガゴザイマシタ。事重大デアリマスノデ,区会ハコレヲ自治振興委員会ニ審議セシムベク委託セラレタノデアリマス。爾後自治振興委員会ハ回ヲ重ネルコト6回ニ及ビマシテ去ル7日ノ自治振興会ニオキマシテ練馬区独立ノ機熟セリト認メマシテ委員会ハ全員一致練馬区独立ヲ決定致シマシタノデアリマス。而ウシテコレヲ都長官ヨリ諮問ノアリマシタ場合ハ直チニ区会ニ提案シテ貰ウヨウニ申シ合セヲ致シマシタ。
8月7日以来数回ノ委員会デアリマシタガ,何故ニ斯クノ如ク委員会ガ独立決定ニ遷延致シマシタカト言フコトハ御承知デモゴザイマシヨウガ,35区連盟ノ自
治振興委員会ガゴザイマシテ,コノ自治振興委員会ガ当時第90議会ニ提案サレテオリマストコロノ地方制度ノ改正案中都制ニ関スル条項ガ甚ダ当時ノ政治立法ノ域ヲ離レマセンノデ区ノ行政区分ニツイテ幾多ノ陳情ヲ致シマシテ,画期的ニ区ノ権限ノ拡大ヲ計ルベク,数回ニ亘ツテ衆議院,地方制度改正委員長中島守利氏ニ要請ヲ致シマシタ。タマタマコノ自治振興委員デアル中野代議士ガ,東京都ノ区ニ関スル地方制度改正委員中,東京都制ニ関スル委員ニナツテオリマシタトコロノ便宜ガアリマシタ為ニ非常ニ振興委員会ノ連盟ト致シマシテ,衆議院トノ連絡ガウマク参リマシテ,全条48カ条ノ修正ヲ以ツテ今マデ東京都ノ行政区デアツタトコロノ区モ,立派ナ完全ニ近イ程ノ自治区トナツタノデアリマス。独立区ト名称致シマシテ,コレハ大阪ニモ区ガゴザイマスガ,大阪ノハ,ヤハリ行政区デゴザイマス。全国ノ区ニオイテ自治区ニナツタノハヒトリ東京ノ区ノミデアリマス。斯クノ如ク区ノ権限拡大ヲ致シマスト共ニ,区ノ財政経済モ将来ドウシテモ独立シテユカナケレバナラヌノデアリマシテ必然的ニ生ジマシタノガ,区ノ廃置分合デアリマス。コノ廃置分合ハ各区デ選出サレマシタトコロノ区及ビ都会議員,学識経験アル人,復興委員,コレラノ人ヲ網羅シテ東京都庁内デ区ノ分合配置ニツイテ研究致シタノデアリマス。其ノ結果東京都ノ35区ハ結局ニオイテ22区ニ配置分合サレルコトニ相ナリマシタ。コノ22区ニ配置スルト言ウコトハ非常ニ各区ニ異論ガアリマシテ,イロイロノ,各区ニオイテハ長イ間ノ伝統ヲステテ他ノ区ト一緒ニナルト云ウコトニ非常ナ不平ガアツタノデゴザイマス。都長官モ自治振興委員会ニ数回見エラレ,是非共コノ際小異ヲステテ大同ニツイテ,コノ22区案実現ノタメニ自治振興委員会ガ努力シテ欲シイトイウ要請モアツタガ,ナカナカ各区ソレゾレ歴史ガアリマスタメニ,コノ22区案ナルモノガ非常ニ難航ヌ続ケマシテ,12月マデニ尠クトモ22区案ト云ウモノヲ委員会カラ報告サレテ決定サレルベキモノデアリマスニモ拘ラズ,遂ニイロイロ各区ニオイテ議論ガアリマシタタメニ,3月ニナツテ漸ク決定致シマシタヨオナ訳デアリマス。左様ニ22区ト云ウモノガ,難航ヲ続ケテオリマストコロニ,コチラハ1区ヲフヤシテ2区ニスルノダ,コウ云ウ要求ヲ持ツテユクコトハ,一応時機ヲ得ナイ,コウ云ウコトデアリマシテ,又カリニ持ツテマイリマシテモ,実現ノ可能性ガナイ問題デアルカト云ウ訳デ,実ハ練馬区ノ方々ニハ非常ニ熱レツナ御要求アルニ拘ラズ,私共ガ御満足ノ行動ヲトルコトガ出来ナカツタト云ウコトハ,実ハ東京都ニオイテ22区案ガハナハダ難航デアツタコトガ原因デアルト云ウコトヲ練馬ノ諸君ニヒトツ御諒解願イタイノデアリマス。3月5日ニ,22区ニ対スルトコロノ告示ガゴザイマシテ,コレガ近ク22区案ト云ウモノガ実行セラレルト云
貴区練馬支所管轄区域をもって区を分離新設することについては,予てから関係方面の切なる要望もあり,左記理由によって必要とみとめられるから,都制第141条により,貴職より区会に提案付議せられたい。
記
1.板橋区は区域極めて広大にして然も交通機関不備なため,区民の日常生活と密接不離な関係ある区政の浸透徹底に遺憾な点が多いから,これを分離する要がある。
2.人口面積並びに担税力において独立資格を有する。
3.文化,公共的施設において独立の資格を有する。
4.区役所管轄区域と次の諸点につき連絡関連性なく,又共通的の利害関係薄く,従つて区民の福祉増進のため,独自の施策によつて開発を図るのを適当とする。
昭和22年3月12日
東京都長官 安井誠一郎
板橋区長 殿
1.板橋区練馬支所管轄区域をもつて区を分離新設し,区名を練馬区とする。
2.板橋区の左記区有財産は新設の日,現在の人口割を以て練馬区に帰属せしめる。
記
板橋区救済基金
昭和22年3月12日
東京都長官 安井誠一郎
資料:練馬独立史
「練馬区独立」は我々区民の利便と,福祉増進のために,どうしても獲得せねばならない重大な事であって,私共は長い間全く私心を離れ,あらゆる犠牲を払い,努力を続けて参りましたが,2,3の反対により,今日まで延引したことは,誠に遺憾なことと存じます。
併し,去る7月1日の板橋区会に於て,絶対多数を以て,練馬区新設促進の議決を得まして,直ちに関係当局に対し手続中であります。
どうぞ,この事情を御賢察の上,今后共絶大なる御協力を御願い致します。
ついては,経過の報告を兼ね,練馬区独立促進大会を左記により,開催致しますから,奮って御参加あらんことを切望致します。
記
1.日時 7月10日午后3時(晴雨不拘)
1.場所 開進第三小学校(練馬支所隣)
練馬区設置期成会
会長 加藤隆太郎
(附記)
巷間反対意見として伝えられている負担加重の説は,区民による区税が,本年度板橋区予算より見ても僅かに三分の一に過ぎず,人件費,事業費等の大部分が都の交付金によるもので,決して独立によって,皆様の負担が重くなるものではありません。
昭和22年7月30日内務省東地第41号特別区設置に関する件,依命通知に基き,7月30日開会の区議会定例会に附議した折,左記の通りの意見に付き,別紙会議録相添へ提出致します。
記
1.東京都板橋区の内練馬及石神井両支所の所管区域を以つて練馬区を開かれる件,当区議会に於いては異議なく可決しました。なお左記の通り,付帯決議がありましたので申しそえます。
付帯決議 区の境界については将来適当に補正せられたし。
昭和22年7月30日
東京都板橋区議会議長 林 信助
内務次官 殿
資料:「官報」第6163号
地方自治法第283条において準用する同法第7条第1項の規定により,昭和22年8月1日より東京都板橋区の中練馬及び石神井両支所の所管区域を分け,その区域を以て練馬区を置く。
昭和22年7月31日
内務大臣 木村小左衛門
資料文> <資料文>
○議長(林 信助君) 日程第3
〔書記朗読〕 資料:板橋区議会会議録
報告事項 (昭和22年5月30日)
(1)区役所出張所設置に関する資料
図表を表示 図表を表示 図表を表示 図表を表示 図表を表示 図表を表示 資料文> <資料文 type="2-33i3">○区長(牛田正憲君) 区役所の出張所設置につきまして,ご報告申し上げたいと思います。
ご承知の通り,明六月一日から開設せられまする出張所は,政令第十五号にもとずきまして,設置せられるので,ございまして,人口で一万五千人面積にしまして四平方キロとゆうことを基準といたしておることは,みなさんのすでにご承知であられておる通りであります。
この基準にもとずきまして,事務当局におきましては,区域についての案を作製いたしまして各管内ごとに……すなわち各管内ごとに,管内出身区会議員さんにご参集を求めまして,ご意見を求めたのでございますが,みなさん方のご賛同をいたゞきまして,大した修正もなくご賛同をいたゞきまして,ことに事務当局として欣快にたえないのでございます。
なお,各位の絶大なるご協力によりまして,出張所は大体決定をいたしまして,諸般の開設準備も,大体におきまして進捗しつゝある状況でございます。なお主任もすでに発令いたしまして,それぞれこの設置については,最大の努力をいたしておるような次第であります。
どうか,今後いろいろのご高配にあずかりますが,なにぶんよろしくお願い申し上げる次第であります。
なお詳細は,お手もとに書類として印刷しておくばりしてございますので,それにつきまして一つご覧を願いたいと思います。
以上,簡単でございますが,これをもちましてご報告に代えたいと思います。よろしくどうぞ……。
○十七番(山本喜一君) 原案には賛成でありまするが,この出張所の運営方法に対してですな,将来と並びに,区の行政に……区の行政にあたつておられる方々,現在までの町会の廃止により,今後における事務不熟練の案で,大多数の区民に迷惑をかけないように,具体的な,ち密な施策によつて,運営をしていただきたいとゆうことを,附言いたしたいと思います。その意味で,どうかこの原案とゆうものには,みな賛成でございます。
○区長(牛田正憲君) ただ今のお話の通りにさしていただくつもりであります。どうか何分ご支援を願います。
○四十一番(高野角太郎君) たゞ今と同一の問題でありますけれども,わたくは,練馬支所の管内のものから出ております。練馬支所管内の,今の出張所の問題に対しては,親しくその区会議員の意図をはかられてやつてはおられないようであります。いろいろ住民のことばを聞きますと,連絡事務所になつた時ですか,従前の町会の事務所のように非常に自由でないのであります。そうゆうような場合でありまするから,もう少し,その区長さんの今後の出張所運営方の具体的な,ご答弁を伺いたいと思うのであります〔拍手おこる〕。
○区長(牛田正憲君) ちよいとお答え申し上げたいと思います。練馬支所のほうは,管内出身の方にご相談がなかつたとゆうことでありますがはなはだ恐縮に考えます。わたくしのほうとしましては,各所長には,十分各議員さんとご相談してやるように指示してございますので,なお注意いたします。なお仕事は,従来の町会事務所でやつておりました仕事をやるのでありますが,この出張所の吏員は,もつともこの方面の仕事に練達したものを,この方面に,あてまして,十分万全を期していきたいと考えておるのであります。なお土地が広くて,実際問題として困るとゆうことならば,派出所のようなものをおきまして,区民の生活になるべく迷惑をかけないような方法をもつてまいりたいと考えております。さきほど申しました通り,なるべく,みなさんの迷惑のないようにと思いますから,みなさんのご支援をお願いいたします。
○十六番(本橋修全君) たゞ今のご説明で,大体,了承いたしますが,この問題につきましては,区会議員に大体,おはかりになつたとゆう,ご説明でありますが,その前に前町会長とか,土地の有力者とかゆう人に,前もつてお話しになつて,区会議員が出しぬかれたとゆう状況を,わたくしは知つておるのであります〔拍手おこる〕。このことは,政令に明らかに違反するものであ
り,なにゆえに今日町会が廃止になつたとゆう事実に照しましても,前町会長とか,有力者とかゆうものをさきにして行われるとゆう傾向は,今後,もつともつゝしむべきものであるとぞんじますので,かような点につきましては,将来,大いに留意していただきたいとぞんじます。○区長(牛田正憲君) ただ今のご意見でありまするが,そうゆうことは,少しもないはずであります。わたくしは,そうゆう区会議員の方をもつて,区民の代表として,相談するように指示してあるのでありまして,もしそうでなかつたとしたならば,わたくしの指示に従わなかつたのでありまして,十分,今後注意をいたします。
政令十五号につきましては,お互い十分厳格にこれを守つて行きたいと考えております。さようご承知願います。
○二十五番(沼崎六一君) ただ今の,出張所の問題…設置に対してご論がされておられるのでございますが,練馬方面出張所の問題は,過日一八会の席上にはかられたのであります。これは正式な区会議員招集の議会ではないにかゝわらず,この席上において問題がとり上げられるとゆうことはあまりにも非常識……今後,かゝる重大な問題に対しましては,正式な区会議員の招集を願いたいと思うのであります。
○区長(牛田正憲君) ただ今のお尋ねにお答え申し上げておきますが,
さきほどわたくしが申し上げたのは,お話し申し上げておきました通り,板橋,練馬,石神井,それぞれの地区ごとに,区会議員さんにお願いするのが,その最初から考えていたのでありましてこの点は,練馬のほうに一八会をお作りになつておるとゆうことは,承知しておりましたが,やはり練馬の議員さんが,練馬のことに明るいとゆうことで,やはりご相談したのであります。そうゆうことで,区会におはかりすることは,おはかりいたしますが,各地区の,これは,実際問題として考える意味でありまして,今日区会で,全体のご相談を申し上げておる次第でありまして,どうかそうゆう行き方も,一つではなかろうかと思いますので,その点よろしくお願い申し上げます。
○二番(荒井其吉君) 日程第三報告の件に関しましては,十分論議が尽されまして,一般議員も了承されたように考えます。
たゞちに可決確定あらんことを希望いたします〔拍手おこる〕。
○議長(林 信助君) ご異議ありませんか。
〔「異議なし」とゆうものあり〕
○議長(林 信助君) ご異議がなければ,決定いたします。
○議長(林 信助君) これで日程を終りました。しじゆうご熱心に区政のために検討下さいましたことを,感謝いたしまして,区会を閉会いたします。
午後四時二分閉会
資料:板橋区議会会議録
(昭和22年7月1日)
○四十二番(篠崎 晸君) 議案の日程変更された第二日程の議案の上程前に,その議案を審議する上に,もつとも重要な関係をもつておる事項を質問いたしたいと思います。
本案は,こと人事に関する問題でありまして,議長ご自身に関係がありますので,まことにご質問申すのも礼を失するとゆうようなことを,考えてはおりますけれども,これは個人の問題でございませんので,区政全般にわたる問題でございますから,しばらくごしんぼう願いたいと思う。
なお,質問のうちに,四十五名の区会議員諸公が本案に対してご関心をもつておられますことは,今さら申し上げることはないのであります。わたくしの質問をいたしまする各項のうちには,議員諸公が,その事項に関して,もつとも慎重にご考慮わずらわすべき点が,多々あると信ずるものであります。もしわたくしの質問をいたすところが妥当である場合には,本案を討議いたします上にみなさんの討議のよき資料となるでありましようし,もしまた,わたくしの質問をいたします事項が,妥当を欠いておる点がありますならば,これは本案に反対なさる諸公のご意見の資料として……反対の資料として重要な部分をなすものと思うのであります。いずれにいたしましても諸公のお耳によつて,是と否とにわかれる事項がありますので,なるべく具体的に,簡単に申し上げますけれども,しばらくご静聴をわずらわしたいのであります。
まず第一に,議長さんにおただし申し上げる点は議長さんは,練馬地区における,一八会と称する会の目的趣旨をご承知であられますかどうか,もしご承知でありますならば,その会のご趣旨を明確にご説明を願いたいのであります。
第二,同会の会長さんは,どなたであるか,及びその会の統率をされる責任者は,どなたでありますか,また同時に,会のメンバーはだれだれであるかとゆうことを,明確にお答えを願いたい。
三,一八会が,その会合で,区政に関係ある重要事項,たとえば議長,副議長に関する問題,また独立,練馬区役所,独立の問題,そうゆうようなことをお話しあいなさつたことがありますかどうか,これも明確にご答弁願いたい。
もし,そうゆう事項で,区政に関する事項をお話しあいなさつたとするならば,その席に出席されておつた方々はどなたであるかとゆうような点までお話しを願いたいのであります。
つぎに,前回討議をなさいましたる,練馬区独立促進運動とゆうものは,恐らく事前にご相談になつたことと思いますけれども,もしそれが相談またはご連絡があつたかどうか,その点も明確にご答弁願いたい。
五,その時の議会の進行中,重要の提案,即ち栗原議員から提案されました,区政にとつてはもつとも重要な,特にわたくし,区政の民主化,明朗化を主張する一人として,もつとも重大性をもつておるものと聞いておりました際に,ことによつてはその案に対する意見を申し上げようと,まちかまえておつたのであります。さような方々が,四十五人のうちに多々あつたとわたくしは信じております〔拍手おこる〕。かような重要な提案に対して審議をすべく,緊急動議もありましたし,議事の進行に関する動議もありましたし,かような動議に対して,議事の決定とゆうものを,委員長の報告と一括して,そうゆう重要の提案を決議なされて宣告をされたとゆう点は,どうゆう点にお考えがありました。あるいはまた,その時に中立の宮地議員からは,前もつて練馬区独立促進に対しては質問通告をしてあつたそうであります。当時も,宮地議員から緊急動議として,その質問の点を発言しようとしておつたのであります。しかるに他の議員から〔このとき私語するもの多し〕どうぞ,議長には,よくお聞き願いたいのであります。
議員諸公には,さきほど申し上げたように,よくお聞き願いたいのであります。宮地議員の質問通告を,あらかじめしておつた。そうしてその通告に対して,自由党の諸君から,その通告を中止してくれとゆうことの注文があつたそうであります。そこで,宮地議員は,もつともかような慎重の案だから,自分の質問をあとにして,
しかるにその中止を申し出でたにかゝわらず宮地議員が関心をもつておるたゞ今の独立促進案を,何らの無交渉で,突如として上野議員から動議で……緊急動議で提案されたのだそうであるのであります〔この時私語するもの多し〕。
かようなぐあいで,中立議員諸公,わたくしども社会党の議員一同は,かような,はなはだ失礼でありますけれども,かような乱脈極まるところの議事をしては,区民の代表として,区政にたずさわつておるわれわれの責任を,区民に対して不履行のそしりをのこすとゆうことを,考えたものでありますから,われわれ同志は,はなはだ失礼であつたと考えたけれども,議場の退場をあえてしたわけであります。
かような場合におきましては,わたくしは,議事の通例といたして,従来からの通念といたして,議長たるものは,その退場議員に対して,ふたたび重要議案の審議を進行するにあたつては,出席の催告をいたすのが当然であると,わたくしは考えております〔拍手するもの「そうだ」とゆうものあり〕。かような,議長は責任を果さない,かような処置をいたさないで,そうしてそのまゝ自由党の議員の出した提案を自党の議員と及び民主党の諸公の,賛成諸員の方々との独壇場のごとき議場を現出させて,そうして〔この時なにごとか大声にゆうもの「だまつていろお前ら議会に文句うゆうではない」「おれは傍聴者じやない」など大声にいゝ争うものあり〕お静かに,そうゆう,わたしは,一生懸命申しておるのに,いろいろ雑音がはいるのだ。〔「議長,傍聴者を退場させろ」とゆうものあり,傍聴席になお大声に私語するものあり〕こうゆう態度で平然として議事を進行されるとゆうことは,これは,もし率直に申し上げることをお許しになるならば,わたくしははなはだ議長のやり方は,勝手専断のやり方であると断ずるものであります〔拍手するものまたかつてに発言するものあり〕。他の意思が加つておつたのであるか,あるいはまたもつとも善意に解釈いたしますれば,議長さんはまだ法規その他のことにお不なれの点から起こつたことであるか。
この点を,本員に正直に議長さんの心持ちをお答えを願いたいのであります。
もう一度申し上げます,今のようなお手配を
なさつたのは,議長さん独断のご意思で,あつたか他になにかの意思が加つたのでありますか,あるいは不なれのためになさつたのであるかとゆうことを,ほんとうに正直にお答えを願いたいのであります。六番,前区会において議決された人事,即ち助役,収入役,副収入役とゆう問題がうわさによると,自由党及び民主党議員諸公のあいだと,区長とに一脈の連関があるとゆう風評があるのであります「そんなことはない」とゆうものあり」。これらの風評に対して,特に調査をしておる人もあるのでありまして,その裏面を追究し,その人物を,どなたのなんであるかとゆうことを調査しておる人もあるのであります。
かような調査資料を集めておる事実があるのは……自分は一ぶしじゆうとゆうものに対しては,まだ適確なものは,もつておりません。……おりませんけれども,かようなような風評があることも,再三,再四,交渉会において,わたくしが申し上げましたように,特に収入役のごときは,自治体の三役とも申されるほどの重要な,歳入歳出を扱うところの,特殊な権限をもつておる役がらでありますから,こうゆう人事に対しましては,ほんとうに慎重にお考えになつて,そうして区民の総意の集るところの人物を推挙されたらとゆうことを,申し上げました次第であります。
〔「社会党は賛成じやないか」とゆうものあり〕
かような点は,交渉その他のことは,今まで多く,午前中,各派交渉を開かれたが……午前,書記長を通して開かれたのは一回,その他はすべて区長……人事のことは,まず第一に午前の各派交渉によらないで,二~三の人の相談,話しあいによつて,きまつたものを,交渉会の形にもち出したことが事実なんです。これは区民諸君も,この点はよくご注意願つて,今後の議会については,非常にご関心をもつていただきたいと思うのであります。
かような点は,まことにご無礼な申し方もあつたかも知れませんけれども,いろいろの点において,議長さんのなさつたことは,職務の上から,率直に申せばはなはだ残念に思います。わたくしとしましては,社会党のほうの一人といたしまして,議長さんの信念に対して,わたくしから承知をしかねるとゆう点を申し上げる次第なのであります。
まことに個人に対しては,申しわけないのでありますが,どうぞわたくしの意のあるところをおくみとり下さつて,わたくしの伺つた点
○議長(林 信助君) 議長に対する質問に関して,わたくしからご答弁申し上げます,わたくしの答弁を申し上げる要点は,大体三つに尽きておると思います。
その第一は,練馬地区におけるところの一八会のご質問でございますが,一八会は,これは板橋区会には,なんら関係ない交渉団体であります。こゝに申し上げる限りではございません。
たゞその際に,正副議長の推薦の話し合いがあつたかとゆうことについては,わたくしの出席しておる一八会には,かようなことは絶対にございませんでした。ハッキリお答え申し上げます。
つぎに,宮地さんの独立問題に対するところの通告は,なにゆえにとり消したかとゆう,こうゆうご質問でございました。
三十日の日は,ご承知の通り,各派交渉会が長時間にわたりまして,あの重大協議をいたしました結果,今日は時間がないから,この通告はどうするかとゆう,ご相談を申し上げましたので,今日は通告を撤回するとゆうことで,撤回されたのでございます。
最後に緊急動議に提出された,練馬独立の問題は,議長は知つておつたか,これははなはだ遺憾でありましたけれども,緊急動議の通告がございません。四番議員の採択通告がなかつたのでツイに四番議員の動議として採決することは,不肖議長のために,採決をしないために,あれは成立しないと,自分は考えております。そこで最後に,ご意見として,みなさんのご賛同を得たのであります。
つぎに,練馬独立問題の緊急動議が提出されまして,これは会議法によりまして,採決をいたしまして,これは成立いたしましたから追加いたしました。そうしてわたくしは,自分に与えられておるところの,自分の承知しておるところの議事法で,それを採決いたしまして,そのときに,退場された方に,なにゆえに再び出席を要求されなかつたかとゆう,こうゆう問題でございますが。
この点については,わたくし一生懸命議事を扱つておつたゝめに,どうゆうご用件でご退場なさつたか,わたくしにわからなかつたのであります〔拍手おこる。そこで,採決のときに催告申し上げなかつたのであります。
それから,採決は専断行為でないか,他人の
意思がはいつていないかとゆう問題であります。これはご質問の方も,区会には党派はないとゆうことを申されるのでありますが,こゝで党派とゆうことは申しません。これはたゞ今ご質問にあずかりました党派の方々は,議長がいかに公平無私であつたかとゆうことを,過去においてご承知と思います。と申しますのは,わたくしは議事に不なれであるとゝもに,板橋区とゆうと,いなかの区のように考えておられますと,わたくしは大きなまちがいで,二十二区でも大きな板橋区であります。その二十五万の代表をなされるお方に,善意をもつて選ばれました議長は,少くとも二十二区の大議長と自分は自信しております。その大議長が,一党一派の,あるいは個人に左右されるものでは断じてないものであると,信じておりますので〔拍手おこる〕。ご意見のある方のご意見は尊重して,なるべく円満に議事を進行していきたいと念願して,やつておりました。しかし,それが不幸にして,この区会にわたくしが不公平な処断をしたとゆうご判断ならば,これはしかたございませんが,その際に……採決には,自己の意思ははいつておりませんそのことを重ねて申し上げておきます。
なお,議長が不なれのために……〔私語するもの多し〕……不なれなために,いろいろな問題がおきたのではないかとゆう,お尋ねてございますがこれは不なれな点は,率直に申し上げます。
勉強をしようと,四日の日には帝国議会にいつて,議場を見てまいりました。あれは一年生はじめの……議長はちやんと書いてある通り,やつておりました。しかしわたくしは,その点はみなさんのご同情によつて,この議事を運行をいたしていきたいと考えております。
重ねて申し上げますが,そのあいだの決議案の採決は,私心はない,わたくしは法に従つて採決したと,こう考えております〔拍手さかんにおこる〕。
○四十二番(篠崎 晸君) たゞ今のご答弁に対しわたくしはまだ,聞き落しかは知りませんが,わたくしの質問申し上げました点が,お尽しにならん点があると思いますが,ご迷惑でも,もう一度ご答弁を願いたいのであります。
議長さんのご答弁は,一八会は区政に関係がないとゆうことは,よくわかりました。その区政に関係のない一八会で,わたくしはその会にご案内を受けましたけれども,不幸にして,ほかの公務のために出席できませんでしたと,ゆうことゝ,もう一つは,一八会の性質が,
それから,いかなるご相談があつたとゆうことは,人の話しで聞くのであります。その会に出られた人の話しを聞くのでありますから……区会に関係のない,一八会で,議長,副議長の話しも出た。練馬支所長が列席しておつたり,練馬支所長は,区政に関するプリントのようなものまで,手わたしをするとゆうようなことは,一体区政に関係したものでなかつたかどうかとゆうことを,もう一度闡明にしていたゞきたい。
それから会長,統率者,メンバーをおつしやらんけれども,めんどうだからそれはよろしうございます。
それから,主要事項の議長,副議長の問題で話し合つたことは,ないともあるともありませんでしたが,なにしろ区政に関係ないと,一括しておつしやいましたが,そうゆう箇々の問題をお聞きしたいのであります。
それから,このあいだの,独立促進決議案と,それから北原議員のなされた重要提案を,ほかの委員長報告とゆうようなもので,まつたく種類のちがつた議案の報告とゆうようなものを,一括して採決をなさつたか,またそれのとり扱いかたはどうゆうわけでそうゆうようにとり扱つたかたとゆうことを,具体的にご説明を願いたいのであります。
それから,退場した議員に対して,なにもしなかつたのは,自分がかたほうの重要議案について,一生懸命になつて職務を執行しておつたから,ツイそうゆうことを知らなかつたとゆうようなご答弁でありましたけれども,一体四十五人の議員が,そうゆう重要な提案に対して,ひとしく一場に合して協議を進めることが,議事の本旨ではないでしようか〔拍手おこる〕。こうゆうような点に,ご熱心に議事を進行される議長さんに,責任がおありになるならば,やはりどうしても一度は,議員の出席をさ
いそくをなさるのがよいのではないか,およそ地方議会の先例をみましても,大ていさような手配を尽しておるようであります。この点も,一つお考えになつて,そうではないとゆうようなお考えがあれば,わたくしは,お教えを願いたいと思うのであります。それから,最後に結論として,自分は不なれである。しかし,三十五区のうちの大区の大議長としての自信をもつてやつておるとゆう点には,まことにわたくしは感激をいたします。さようなこゝろもちでも,わたくしは,林議長に対して敬意を表するものであります。なおかつ,不なれであるから,議場の整理ができないとゆうようなことをおつしやるけれども,わたくしは非常に感激するものでありまして,さような点は,将来お考えを改めていたゞかなければ,わたくしの考えておる点,わたくしのいたしたいと思う,なかばを,遂行することができると思うのであります。
この点をつけ加えて,そうして今申しました,ごめんどうでも二~三の点を,再びご答弁を願いたいのであります。
○議長(林 信助君) お答え申し上げます。
一八会の会長,副会長はございません。あれは幹事制になつております。それから四番議員のご意見は,委員長報告と一しよに採決した点でございますが,この点は,委員長の報告は採決はいらない,やはり報告のしはなしでよいとゆうことを聞いております。
それから北原さん……じやない,四番議員提案は動議として取り扱われないために,ご意見として扱つて,ご承認を得ればよい,かように信じてやりました。
それから今後かような重要な事項は,委員会もありますし,また各派交渉会もあるから,あるいは全員協議会の形式でやれとゆうことはご趣旨ごもつともでありますから,以後注意いたします。
○二番(荒井其吉君) ただ今,四十二番議員から,議長に議事進行について……進行につきまして〔「四十二番(篠崎 晸君)発言の許可を求む〕……ただ今四十二番から議長に対して〔発言を求むるものあり〕……わたくしは日程第二の,議長不信任の質問と関連しておるように考えております関係から,第二議案が提案になつてから,るるお承わりしたいと思いますのでしばらくのあいだ,休憩せられんことを希望いたします。
〔このとき「質問継続」とゆうものあり,また四十二番(篠崎 晸君)発言の許可を求む〕
○議長(林 信助君) 今の関連事項を簡単に一つ……
○四十二番(篠崎 晸君) 今の一括の問題ですか,これはわたくしよくわかりませんが,あなたによくご研究を願つて,そうして将来どうゆうふうにするかとゆう点を,ご考究をお願いし,わたくしも総務委員長でありますし,民主化調査会長でありますので,深甚の研究をいたします。
一括の問題は,わたくしの考えといたしましては今おつしやつたような,委員長の報告も,ほかの委員長の出されたものは,これは常任委員の報告でありましたが,わたくしの報告と申しましたのは,これは前の議会における議案の特別委員附託になつたところの報告でありますから,これはやはり,委員長の報告を一おう議場におはかりくださつて,委員長の報告通りに,可決なさるか,なされんか,とゆうことの,ご承認を得ておかなければならんとわたくしは思うのであります。
この点は一つご研究をしていただきたいとゆうことで,やつてしまつたことをどうと,さかのぼつてとゆうことでありませんけれども,わたくしはさよう考えておるのであります。なおわたくしも研究いたします。
それから報告のようなものと,重要議案の一括とゆうようなことは,どうかこれは将来ご研究願いたいと思う。
○議長(林 信助君) 議長が今の質問に対してご答弁いたしまして,それからこちらのほうの…
○区長(牛田正憲君) さきほど四十二番議員の,今回の三役,助役,収入役,副収入役につきましてだれかと相談したようなお話がございましたが,一切そうゆうことはございません。ことは慎重に研究,また人物は従来知つておりましたのでわたくしのほうから区会のご承認をいただきましたところ,これまた十分にご研究下さつた上,満場一致ご同意を得ました。これは十分わたくしの責任の判断によつて,提案いたした次第でありますから,しかるべくご了承を願います。
○四十二番(篠崎 晸君) ただ今区長さんから,関係のお答えがありましたが,練馬支所長さんが一八会になにか書類を出しておるとゆうことで,これはどうゆう書類か,区政に関係があるかないかとゆうことを,お答え願いたい。
○練馬支所長(小林四郎君) 四十二番議員さんのご質問にお答えいたします。
一八会の席上でわたくしがわたしました書類
は東京都から指示がございました貯蓄指導と,その他につきましての,こうゆう書類がまいつておるとゆうことで,お願いしたような次第でございます。と申しますのは,ある議員さんから,区会議員さんが一番はじめになんでも知つておきたい,区会議員さんが知らないうちに,ほかのものがさきに知ることは,困るとゆう,ご意向もありましたのでわたくしわざわず出席して,ご出席なさつておる議員に一々ご足労願うのもどうかと思いまして,一八会を利用いたしまして,わたくしがわたくしの権限に与えられたる範囲内におきまして一おう議員さんにご報告申し上げ,あるいはご依頼をしたいとゆう程度にわたくしは考えたような次第でございます。
はなはだ簡単でございますが,これをもつて,お答えといたします〔拍手おこる〕。
○四十二番(篠崎 晸君) ただ今のことで,もう一おうお伺いしたいのであります。
支所長さんの一八会の席上でわたした事実は,東京都から出た貯蓄指導の書類といわれております。これについて,区会議員さんがほかのものより,早く知りたいとゆうことをゆう,要求があつたから,そうゆう書類を出したとゆうことになりますとわたくしはよほど重要な関係があると考えております。
何となれば,わたくしも区会議員の一人でありまして,練馬の支所の諸君の支持を得て出るものであります。さような責任の上から,わたくし一人そこの一八会に出ないがために,そうゆう書類をうけとらなかつた,そうしてそれを知らなかつたとするならば,ほかの区会議員は,区会議員なるがゆえに,さきに知りたいとゆうほどの責任感をもつておる。わたくしも同じように責任感をもつておるのであります。さようなものを……オミツトされた時に,さようなものを知らなかつたとゆうか,その一八会でやられたとゆうことは少くもわたくしの責任とゆうものに関係をもつてまいるのであります。さような点にわたくしは不審を抱いておるために,かような質問をするのであります。
しかもその,非常によい答弁をされたのであります。この貯蓄協力委員の書類は,一昨日わたくしの手もとに入り,そうして,その書類は,六日の夕方,支所の吏員が帰る通り,わたくしの手もとへ届けて,しかもわたくし,一区会議員がもつ二町内にわたつて,責任をもつて,そうしてその人を探して,その翌日の七日までに出せと
〔この時二十八番(梅内正雄君)「関連事項についてご質問いたしたい」とゆう〕
○練馬支所長(小林四郎君) わたくしが一八会にご報告申し上げましたことは,議員さんにさきにご了解を得たいとゆう自分の考えでは,こうゆうふうにいきたいとゆうことを,ご報告お願いを申し上げましたのであります。その後に書類とかあるいは口頭で議員さんにお願いしたかと思いますが,ただ今のお説の,日がないとゆうことにつきましては,わたくしも実は,その点は知らないでおりましたのですが,帰りまして,よく係員に注意いたしますし,わたくし自身も,将来十分注意いたしまして,将来善処いたしたいと考えておりますので,この点どうぞ悪しからずお願いいたしたいと思います。
○四十二番(篠崎 晸君) 支所長さんは,非常にご反省なさつて,将来そうゆうことのないように……非常にわたくし了承いたします。いたしますが今日のあした,人を頼んで履歴書を出せとゆうようなことは,とうていわたくしのようなもうろくにはできないのであります。この点については支所の事務は,いつでも急を要するとゆう時には申し上げたいと思う。どうぞ課長諸君,係長にはどうか将来そうゆうことのないように……必ずそうゆうことはしないとゆうようなお答えを願いたいのであります。
それから議長さんは,区政に関することは,一八会はやらんとゆうことをお答えでありましたが,非常にけつこうなのでありますから,将来一八会は,そうゆうことはなさらないで,そうゆう支所長さんが,区政に関することをなされるときは,周知いたさせるように,議長も善処されんことを希望いたします。
○議長(林 信助君) 承知いたしました。しばらく休憩いたします〔拍手おこる〕
午後四時十三分休憩
○議長(林 信助君) 再開いたします。
○四十五番(矢野清君) 第二議案でありますところの議長不信任案は,われわれ中立六名並びに社会党の議員,共産党の議員合計十六名によりまして,提案上程することになつておりましたのでありますが,さきほどからの篠崎議員が,
種々細かい点につきまして,これに関連して申されましたので実を申しますと,わたくしやはり,現在の議長林信助氏の人となりを信じておる一人であります〔拍手おこる〕。
また社会党然り,共産党然りであります。故にわたくしどもは,こうした問題を上程することは時機でなかつたとゆう実情にあつたのでありまするが,いわゆる練馬の独立問題にからみまして,こうしたことに波及したことは,わたくしども議長支持者として〔「社会党,みなに陳謝しろ」とゆうものあり〕本案を上程すること……わたくしども第二議案によつて,ご多忙中お集り願つて,この上程を取り消すとゆうことは,まつたく申しわけないのでありますが,しかし,これは,今後板橋区政の民主化,並びに区政の円満遂行の上におきまして,当然こうした結果にならなければならんとゆうことを,わたくしは痛感いたしますので,第二議案,議長不信任につきましては,このまゝ取り下げる決意をもつたのであります。
どうぞよろしくご採択を願いたいと思います以上〔拍手おこる〕。
○議長(林 信助君) おはかりいたします。
日程第二,議案第二十七号は,ただ今四十五番議員の動議の通り,提出を……撤回を見ることにあいなりました。ご異議ございませんか。
〔「異議なし」とゆうものあり〕
○議長(林 信助君) ご異議ございませんければ,これを撤回することにいたします。
○議長(林 信助君) これをもつて,本日の日程を終了いたしまして,閉会いたします〔拍手おこる〕。
午後四時五十九分閉会
◎練馬支所,石神井支所,管轄区域の区新設促進に関する緊急動議(同日)
○議長(林 信助君) それでは,二十九番。
○二十九番(上野徳次郎君) 緊急動議を提出いたします。
本件は,練馬支所,石神井支所管轄区域の区新設促進に関する件であります。
本件に対しましては,すでに議員各位におきまして,ご了承いたゞいておることゝぞんじ上げておりますが,この練馬区民の待望しておりました区の独立問題は,昨年の七月以来,区挙げてこれが運動に邁進しておつたの
爾来,この問題は,保留されておつたのでありますが,幸いにも,板橋区会は成立いたしまして,本日すみやかに,本件の促進方を決議していたゞく,こゝに,緊急動議を提出いたします。
よろしく,ご賛成を得たいと思います。
○議長(林 信助君) 緊急動議を採決いたします。
本緊急動議を議題として,審議いたすことに,ご賛成願いたいと思います。
〔このとき「議事進行」「緊急動議を採用しないとゆう議長が,どこにあるか」「議事進行に対して発言を許さない議長がどこにあるか」とゆうものあり,その他発言するもの多数あり〕
○議長(林 信助君) 緊急動議のご審議に移ります。
○三十三番(栗原佐吉君) 本案は,改選前の区会に提案されまして,満場一致決定したのでございます。今日はこれが促進してもらいたいとゆう案でございます。
これについては,わたくしども非常に関心をもつております。しかしながら,その当時は,実行に移されるものと思つておつたのでありますがその後,ずつと今日に及んでおります。内務省の見解といたしますと,板橋区はそのまゝ置いて練馬区が再選挙されるとゆうことで,これはわたくしも賛成をするところであります。もし,板橋区とゝもに改選を行う場合には,これを考えなければならん。しかしこれについては,自由党方面では,絶対にそうゆうことはないとゆうことをゆうております。
本促進案をとり消してもよいとゆうことを申しておりますので,わたくしは,必ずや板橋区は,改選がないと考えておりまして,本案に賛成をいたします。
〔「採決」とゆうものあり〕
○二番(荒井其吉君) たゞ今提案になつておりますところの,練馬支所管内並びに石神井支所管内新設区の実現を促進する建議に対まして
は,たゞ今栗原議員から賛成のご意見がありましたので,議長におきましては,すみやかに可否をとられんことを希望いたします。〔「なし」とゆうものあり〕
○議長(林 信助君) ご異議がなければ,採決をいたします。
本案のご賛成の方は,ご起立を望みます。
〔起立者多数〕
○議長(林 信助君) 多数と認めまして,可決確定いたします。
○議長(林 信助君) 以上をもちまして,本日の日程全部を終了いたしました。
これをもつて,散会いたします。
午後六時十分散会 資料:板橋区議会会議録
標記について東京都板橋区の中練馬及石神井両支所の所管区域を分け,その区域をもつて練馬区を置く件に関し,区会の意見を提出せよとの内務次官より区議会議長に対し,別紙依命通知があつたので,地方自治法第二百八十三条をもつて,特別区に適用する同法第七条第一項の規定により本案を付議いたします。
昭和二十二年七月三十日
東京都板橋区議会議長 林 信助
(別紙)
内務省東地第四一号
昭和二十二年七月二十二日
内務次官
東京都板橋区会議長殿
特別区設置に関する件
東京都板橋区の中,練馬及石神井両支所の所管区域を分け,その区域を以て練馬区を置くことと致したいから区会の意見を提出されたい。
右命により通知する。
――――――――――――――――
◎議案第三十二号特別区設置に伴う財産処分の件
標記について東京都板橋区の中,練馬,石神井両支所の所管区域を以つて練馬区を置く件に関し区会の意見を提出せよとの内務次官より区議会議長に対し依命通知があつたので,これに伴う財産処分について地方自治法第二百八十三条を以て特別区に適用する同法第七条第四項の規定により,本案を付議致します。
昭和二十二年七月三十日
東京都板橋区長 牛田正憲
東京都板橋区区有財産及び収入金の処分は左記による
記
一,板橋区救済基金は練馬区新設の日現在の人口割を以て板橋区及び練馬区に帰属する。
二,板橋区役所練馬支所及同石神井支所において徴収せる区の収入となるべき昭和二十二年度の税収入並に税外収入は板橋区に帰属する。
三,前号の収入金は練馬区において分担するを適当とする支出に充当し,なお過不足あるときは,その過不足金の処置方法は板橋区及び練馬区の協議によりこれを定める。
四,前号の練馬区において分担するを適当とする支出並びにその額は板橋区及び練馬区の協議によりこれを定める。
○議長(林 信助君) 提案理由をわたくしよりご説明申し上げます。
本案は,ご承知の通り練馬地区の区民が,昭和十八年以来特に希望しておりましたのでありますけれども,その後市町村の分離統合の一年停止とゆう緊急処置令によりまして,実現を見なかつたのでありますが,本年三月前区会におきまして,満場一致をもつてこれを承認いしたまして東京都長官に答申いしたましたのでありましたが,その後いろいろな事情で,ツイに新憲法実施に遭遇いたしまして,新区会の意向の表現が必要となりましたので,さる五月の区会におきまして,緊急上程,大多数の意向をもつて,これを都へ申達いたしましたのであります。
それによつて,たゞ今提案いたしました通り,内務次官から諮問がありましたので,これは挙げて練馬地区十一万区民の多年の要望でありますので,ぜひとも満場一致の賛成をもつて,この練馬区の実現を期したいのであります。
なにとぞ,満場一致本案を可決せられんことを,お願い申し上げる次第でございます。
○四十四番(宮地貞彦君) 練馬区独立につきましては,たゞ今林議長さんからお話しがありました通り,練馬地区の市民といたしまして,多年熱望しておつたところでございます。しかし過日の練馬促進決議案上程をいたしました節のご趣旨の説明が,われわれのほうに徹底しませんために,また賛成いたしました方の筋も,十分徹底いたしませんでしたために,中立議員として意思表示できなかつたのであります。
もう一つは,もしこの独立によつて,練馬区民において,経済的負担が増大するようなことが
あつては,区民全体に対して,不幸でないかとゆう意向もありましたので,中立声明の議員といたしまして,意思表示しなかつたのでありますが,本日議長並びにその他の方からのご説明によりますと,かりに独立いたしましてもなんら区民の負担に,増減を来たさないとゆうお説明がありましたので,区民の要望に答えまして,一日も早く独立せられんことを希望いたす次第であります。中立議員を代表いたしまして,練馬区の独立に賛成いたします〔拍手おこる〕。
○七番(盛 栄治君) わたくしは日本社会党を代表いたしまして,本日練馬独立問題に対して,いわゆる,わが党でもつて,あの六月の新聞をにぎわしますところの,わが日本社会党の退場問題,これに伴ないまして,たゞ今宮地君から申されました通り,われわれいさゝか,なつとくいかないのであります。
しかして,本日は議長のかゝりによりまして,いろいろと……あるいは各派交渉会におきましてわれわれある程度のなつとくのいくようなご説明が伺えたのであります。同時にそれに対してやはり財源におきまして,まだまだわれわれになつとくいきませんのでありますが,しかしながら,ことこゝにいきますとゆうと,万やむを得ないとゆうのが,われわれの考えであります。かような意味からいたしまして,わたくしは特に報道機関の諸君にお願いすることは,こゝに社会党といたしまして,じやくかんの声明書を発表いたしたいのであります。
なにかと申しますれば,練馬区独立の空名を購うために,新区民の支払う代償は,あまりにも高価である。たゞでさえ,各区とも経費の増大と,負担の重圧にあえがなければならんこの際,どうして練馬区民にだけ,特に他に数倍した重責を負わす必要があるかとゆう一点と
それから,練馬地区はいんしん地帯ではない,担税能力のはばは極めて乏しい。こゝを一つ考えてもらいたい。こゝから新区としてのぼう大な行政費やあるいは新設費を,この際さらにしぼり上げることは,しのびがたいのであります。それで,われわれ,一番反対をとなえたのであります。
それから,またもう一つは,新制度によりまして,自治区は,独立市同様の能力と権能が与えられている。二十二区中でも,商,工,農,三地帯をかねそなえた現板橋区は,有機的に共同生活圏として運営し,文化区として,……この区は
しかしながら,われわれ不幸にして,われわれが期待したところの,この板橋区の商,工,農の三地帯をかねる現板橋区を,わざわざ分離することについて,われわれなつとくがいかなかつたのであります。
かような意味において,少くとも文化区の育成にめぐまれた点について,われわれは,今まで研究をいたしていたゞきたいとゆうことを念願してまいつたのであります。
また,練馬地区の方々の話しを聞きますとゆうと,ぼう大なるところの地区におきまして,非常な不便を感じておるとゆうことを申されました。
しかしながら,わが日本社会党の考えとするといわゆる区の出張所が二ケ所開設されてあります,また交通関係は,整備することによつて解決することができると,われわれは信じておるのであります。
これをわざわざ分離して,かたわの区をそれぞれ作ることは,天与の恩恵をそれぞれ放擲するとゝもに,旧行政区観念にとらわれ,民主化された新自治区の真髄を解さない,官僚的ないきかたであると,われわれなつとくがいかなかつたのであります。
区内全般……全域が,なお一段市街化したあかつき,または一般経済の緩和した時機において,分離を議するとゆうことにしても,決して遅くはないとゆうように,われわれ考えておる。しかし,区民の利害を無視し,隠謀は新区会結成前,すでにほとんど完成していたとゆうことをわれわれは聞いておつたのであります。
これは,今日梅内議員が……このあいだの幹事会で,われわれじやくかんなつとくがいつたのでありますが,しかし,まだこれは時機尚早であるとゆう点で,反対をとなえてまいたつのであります。
どうか,新聞社の諸君も,わが日本社会党のこの今日まで反対した理由を,本区会を通じて区民一切に訴えていたゞくことを,われわれは希望するのであります。
どうぞ,今後こうゆうことになりますならば,どうか民主党の諸君,あるいはまた自由党の諸君も,今後民主的に,少くともわれわれ一年生議員でありましようが,ほかに偏せずに
なんとか同志であるとゆう観念から,すべて相談されて……こうゆうことを切に希望いたします。〔拍手おこる〕どうぞ〔拍手おこる〕これをもつて,賛成の意を表します〔拍手おこる〕。○三十三番(栗原佐吉君) 本案は,さる三月開会の前区会におきまして,東京都長官の諮問に対し,満場一致をもつて賛成答申したのでございます。これは,さきほど議長さんの提案理由の,説明の通りでございます。
さらに制度が変りましたので,七月ついたち新議会におきまして,これが促進決議をいたしたのでございます。
従いまして,わたくしども民主党といたしましては,本案に絶対的賛成をいたすものでございます。しかしさきほど四十四番の宮地議員からお話しがありました通り,当初におきまして,一番わたくしども憂慮いたしておりましたことは,担税力の問題でございます。これは宮地議員と同感でございます。
この担税力問題について,われわれはいさゝかちゆうちよをしておりました関係上,一日一日のびてきた次第になつておるのでございます。
しかるに,本日提案になりまする追加更正予算につきまして,先刻協議会を開いて,これが説明を求めましたところ,区長の説明には交付金が全歳入の六十二パーセント四である。なお配付税十七パーセント,合計八十パーセントに近い,いわゆる八割りの全額が都からくるので区の負担とゆうものは二十パーセントである,こうゆうことを聞きましたので,この担税力の問題については杞憂であつたとゆうので安心したのでございます。
なお都民税の負担につきましては,板橋区より練馬支所あるいは石神井支所地域の方が負担力が大きいとゆうことを聞きまして,益々安心したのでございます。ゆえにわたくしはこの問題が解消されましたので,本案に対しては全面的に賛成をいたします。ただしここに附帯決議をいたしたいのであります。
この附帯決議と申しますのは,この地域はいささか凸凹状態にあるのでございます。これをなんらかの形式で補正したいとゆうように考えますので,これにつきまして,ただ今申し上げます附帯決議をしたいと思います。
この「区の境界については,将来適当に補正せられたし」文章は短いのでございますが,この意味で……もう一度申し上げます「附帯決議,区の境界については,将来適当に補正せられたし」
これは民主党を代表しての賛成でございます,終り〔拍手おこる〕。
○四番(北原将弘君) ただ今練馬独立問題に関しまして,各党代表の理解ある懇切な意見を含まれた賛成のおことばを聞くときに,まことに敬意を表するものであります。
練馬独立によりまして,東京都の繁栄となり祖国再建のもとに通ずるとしたならば,これにおもいをいたして,地元におきまして熱意をもつて今日あらしめた,地元先覚者各位に,敬意を表するとともに,前区議会議員篠議長をはじめといたしまして,前議員各位が熱烈にこれを支持し,今日あらしめたことについて敬意を表するのであります。
更に,当時この問題を中心にとり上げておりました自治振興委員会各位の十数回にわたる会合をいたしまして,今日あらしめたご功績に対して感謝をいたすとともに,本案が満場一致をもつて,賛成成立いたされることを要望いたしまして,自由党を代表いたしまして賛成の意を表する次第であります〔拍手おこる〕。
○二番(荒井其吉君) 本案に対しましては,中立の宮地議員はじめ各会派より代表者がそれぞれ賛成のおことばがありましたので,全員ご賛成のようにみ受けられます。
つまり多年要望でありましたところの練馬区新設の問題に関しまして,おそらく各方面の有志諸君は,この実現を期待しておるに相違ないと思われまするが,またそのよろこびも非常に大いなるものがあると思うのでありますが,そのかげに,練馬支所並びに石神井支所管内いわゆる新設練馬区の地域より選出せられたところの十九名の議員同志諸君を失うことは,まことに一抹のさびしさを感ずるのであります。
しかし,区民の利便幸福等を考えるときに,よろこんで,残るわれわれ議員は送らざるを得ないのであります,そうしてお互いに区民のために,区政のために,議員としての職責の達成に邁進しなければならないことを,改めてここに自覚するものであります。
わたくしは,この本案に対しまして,満場一致をもつて,すみやかに議長におかせられましては,採択せられんことを切に希望いたしまして,賛成するものでございます。
○議長(林 信助君) それでは,二番議員の動議
によりまして,ただちに採決いたします。ただ今の附帯決議をもつて,この案にご賛成の方はご起立を願います。
〔総員起立〕
○議長(林 信助君) 総起立〔拍手おこる〕。
全員の総起立をもつて,議案第三十一号特別区設置に関する件は,内務次官よりご諮問通り,当区会におきましては異存なきことに決定いたしました。ただちにこの旨を東京都知事を通じて答申いたします。
なお,議案第三十二号は,原案の通り可決確定いたしました。
○二十九番(上野徳次郎君) 歴史的の練馬区独立の議案を満場一致認められまして,決議決定いたしていただきましたことによりまして,練馬十一万区民を代表しまして,衷心より感謝の辞を申し上げさしていただきます。
本件は,さきほどの議長よりの提案理由にもとずきまして,われわれ十一万区民が長いあいだの懸案でありまして,長いあいだの待望であつたのであります。昨年以来ことに猛烈な運動を続けてまいつたのでありますが,いかんといたしましても,これは関係板橋区会の決議を必要とするのであります。
さきほどもお説の通り,本年の三月十二日附をもちまして,旧都長官より板橋区会に諮問が発せられましたときに,旧区会議員の諸公は満場一致をもつて,これを決議をいただいたのでございます。
しかしながら,新憲法実施にもとずきまして,これが地方自治法の改正によりまして,今回内務大臣より新区会に諮問を発せられることになつたのが,今回内務次官名をもちまして,板橋新区会に諮問がありまして,今日ここに各党各派よりご熱心なるところのこの案に対しまして,検討をしていただきました結果,練馬区独立することにここにご了解を得まして,ここに満場一致をもちましてご決議を得られ,各党各派よりの代表よりも賛成演説をいただいたのであります。
わたくしども十一万区民は,全く感激の極みであります。しかしながらこのよろこびのうちよりも,不日,手を携え合つた板橋区会とお別れすることになりますことは,一抹のさびしさを感ずるのでありますが。いかに別れたりといえども,この板橋,練馬の両区は真に兄弟区であります。ここにわれわれ兄の区として崇拝していくべきものと心得てお
どうぞ,わたくしどもみなさんのご協力によりまして,これが独立できました以上,練馬区発展のために,また区民の福祉増進のためにも渾身の努力をもつて進んでまいりたいとぞんずるものでございます。
どうぞ板橋区のみなさん方におかせられましても,将来練馬区発展のために,大いにご指導とご協力を切にお願いいたしまして,十一万区民を代表いたしまして,衷心から感謝のことばを述べさしていただきます。
ありがとうございました。
東京都板橋区役所支所廃止条例を次のように定めるものとする。
昭和二十二年八月五日
東京都板橋区長 牛田正憲
東京都板橋区役所支所廃止条例
東京都板橋区役所練馬支所及び同石神井支所はこれを廃止する。
附 則
この条例は八月一日よりこれを適用する。
○区長(牛田正憲君) 議案第三十三ないし第三十五号案につきまして,ご説明申し上げたいと思います。
ご承知の通り,このたび練馬区が独立いたしましたので,支所が廃止せられますので,議案の通り本案を提出した次第であります。なにとぞご審議の上,議決ご決定をお願いする次第であります。
○二番(荒井其吉君) 日程第一議案第三十三号及び日程第二議案第三十四号,日程第三議案第三十五号議案は,いずれも練馬区新設に伴ないまして,改正されますので異議ないのであります。ただちに可決確定せられんことを希望いたします。
○議長(林 信助君) ただ今の二番のご意見にご異議ございませんか。
〔「異議なし」とゆうものあり〕
○議長(林 信助君) ご異議ございませんければ,議案第三十三号,第三十四号,第三十五号,原案の通り可決確定いたします。
◎議案第36号 議員の被選挙権決定に関する件の撤回
○議長(林 信助君) つぎに日程第四でありますがこれは都合によりまして撤回いたしまして,議長辞職許可に関する件を追加いたしたいと思いますが,ご異議ございませんか。
〔「異議なし」とゆうものあり〕
○議長(林 信助君) ご異議ございませんければさよういたします。
◎
○議長(林 信助君) 日程第四は,議長の一身上にかゝわる問題でございますので,副議長に代つていただきますが,副議長は本日欠席されておりますから,ここに仮議長を選びまして,議事の進行をいたしたいと思いますが,いかがでございますか。
〔「異議なし」とゆうものあり〕
○二番(荒井其吉君) 仮議長選出につきましては,三十二番の田上理太郎さんにお願いしたいと思いますので,みなさんにおはかり願いたいと思います。
○議長(林 信助君) 二番議員の動議に,ご異議ございませんか。
〔「異議なし」とゆうものあり〕
○議長(林 信助君) ご異議ございませんければ,仮議長に田上理太郎君をお願いいたします,それでは仮議長に,交代いたします。
〔仮議長(田上理太郎君)議長席に着く〕
○仮議長(田上理太郎君) みなさんに申し上げますただ今,林議長さんの一身上のことにつきまして議長をわたくしに代つてやれと,こうゆうようなみなさんのご意見でありまして,しばらくのあいだ仮議長をつとめさしていただきますが,不なれでありますからよろしくお願いいたします。
〔拍手おこる「長いあいだやつても,けつこうですよ」とゆうものあり〕
〔書記朗読〕
辞職許可願
私儀都合により板橋区議会議長を辞職いたしたいから御許可を願います。
昭和二十二年八月五日
議長 林 信助
板橋区議会副議長田中実一郎殿
○仮議長(田上理太郎君) ご承知の通り,地方自治法第百八条の規定によりますと「議長及び副議長は議会の許可を得て辞職することができる,ただし副議長は議会の閉会中においては議長の許可を得て辞職することができます」とありますから,ただ今議題といたしました次第であります。どうぞよ
○二番(荒井其吉君) ただ今上程になつております,林議長以下十九名の議員の辞職問題につきましては,ただちに可決確定あらんことを希望いたします。
○仮議長(田上理太郎君) ただ今,二番より動議がありましたが,別にご異議ありませんか。
○二番(荒井其吉君) ただ今の動議を訂正していただきたいと思います。
議長林信助氏の辞職に関しましては,ただちに確定あらんことを希望いたします。
○仮議長(田上理太郎君) ただ今の二番の動議がありましたが,これが採決はご起立の方法によりたいとぞんじますが,ご異議ありませんか。
〔「異議なし」とゆうものあり〕
○仮議長(田上理太郎君) それでは採決いたします。
議長の辞職を許可すべしとせらるる方は,ご起立をお願いいたします。
〔総員起立〕
○仮議長(田上理太郎君) 総起立と認めまして,議長の辞職を許可することに決定いたしました。
○三十七番(林 信助君) 辞任のごあいさつを申し上げたいと思いますが,お許しを願いたいと思います。自席からはなはだご無礼でございますが,一言辞任のごあいさつを申し上げたいと思います。
わたくしが板橋区議長にご推選いただきましたのは,五月三十日の初区会でございました。爾来二ケ月六日間,長いあいだと申し上げたいが,このごく短かいあいだでございました。しかしながら議員も一年生であり,議事の方法はさつぱりわからない自分でありましたために,二ケ月六日の今日に到るまで,数々の失態がありまして,また数々のみなさんにご迷惑をおかけいたしましたことを,心からおわび申し上げる次第であります。ことに練馬独立問題に関しましては板橋地区の各位におかせられまして,ほんとうに真からご協力願いましたことを練馬にかえりまして,練馬区民を代表いたしまして,ここに厚く御礼申し上げる次第であります。
今日われわれ十九名,みなさんとおわかれするのでありますが,おわかれしましても,あるいはまた練馬区の議員として,あるいはまた練馬
区民として,今後とも従前通り,どうか末長くご指導ご鞭撻あらんことをお願い申し上げまして,はなはだご無礼でございましたが,一言辞職のあいさつに代えさしていただく次第であります。まことにありがとうございました〔拍手おこる〕。 資料文> 本文> 章> 部> <部 type="body">画像を表示 画像を表示 画像を表示 本文> 章> <章>
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